今から50年前、大阪教育大学の山際先生がこの海岸の砂岩の中から古生代の示準化石になっているフズリナの化石を発見しました。それは山際先生たちがつくつたプレパラートの中に閉じ込められていた。
その発見地が鳥羽の砥谷海岸である。この海岸には、古生代や中生代の地質が入り乱れていて多様な様子を示している。
今でも地質調査のモデル地としてたくさんの研究者が訪れている。今回はそのフズリナはどこの石かを確認し、内野さんの産業技術研究所でさらに詳しい時代測定をすることにした。
現地でその砂岩を探し、破片を採取した。どのような結果が出るか楽しみである。
参加者は内野さん、谷本さん、山下、木下です。
鳥羽のパールロード沿いの海岸にある砥谷海岸は古生代の地質や中性代の地質が入り交ざり、さまざまに変化する地質として研究の対象になっている。
中性代の松尾フォーメイション、古生代の鳥羽コンプレックス、砥谷コンプレックスなどがある。
松尾層の泥岩もあるし、砥谷コンプレックスの泥質片岩などもある。それらの境目には大きな断層の後もある。
焼き牡蠣屋さんの前から海岸に降りる階段がある。
牡蠣屋さんに了解を得て降りられるとよい。
2023年10月29日(日) 名古屋大学環境学研究科の主催でてくてくテクトニクス2023という取り組みが鳥羽で開催されました。地質や建築学の構法を表すテクトニクスをキーワードに地形、地質と人間、社会の関係をてくてくと歩きながら観察しようという方法です。鳥羽はいろいろ地質の特質があるところなので、砥谷海岸や恐竜化石が発見された砥浜海岸を眺めて見ることからスタートしました。
砥谷海岸のいろいろな岩石が集まったメランジュや付加体のことを観察したり、砥浜海岸でなぜ恐竜化石が発見されたかの調査もしました。参加者の皆さんにも化石採集の体験もしてもらいました。
午後からは金比羅宮にもお参りして、鳥羽に金比羅宮が出来たことや坂本鹿名夫さんの設計で鉄筋コンクリート、ラーメン構造の建築を見学したりしました。
2023年7月1日.2日と青峰山参道でアンモナイトの化石調査、雨の後で採石がどろで判定がなかなか難しい。珍しい化石が出ることを祈りました。採石承認で青峰山正福寺や松尾森林組合にご協力いただきました。神戸や東京からも調査員が来てくれました。
2019年9月27日、28日、北海道大学・東京大学の学生さんたちと鳥羽志摩の地質巡検をしました。講師は産業技術研究所の内野隆之さんでした。鳥羽の相差・国崎から志摩のオウム岩、神宮林の中の地質を調べ、2日目には朝熊山のカンラン岩や蛇紋岩を調べ、安楽島海岸の三波川変成帯を調査、鳥羽恐竜発見現場での地層などを調べ、再び神宮林に入り、チャートや枕状溶岩の産出状況を調べました。これらを通して鳥羽志摩の地形がどのようにできたか、地質構造はどんな仕組みになっているかを調べることができました。なかなか厳しい日程でしたが大変成果のある地質巡検でした。
6月22日、三重県総合博物館が企画してくれた鳥羽の菅島で鉱物採取に参加。子どもたちもたくさん参加してくれて楽しい観察会になりました。鶴田砕石場までは登山道を歩いて登り、砕石場ではマイクロバスに乗って工場の方に案内していただきました。巨大なカンラン岩の鉱脈、その中に様々な鉱物や珍しい石が観察できました。年間300トンを産出する砕石場は各地に搬出され鉄鋼の生産や新幹線、高速道路の舗装など日本の産業を支えてきました。登山道の途中では朝熊つげの群落もありました。採石場のカンラン岩はまだまだ無尽蔵にあり巨大な鉱脈のような感じでした。
10日、ちょっと天気が心配だったけど、鳥羽市エコツーリズム協会の皆さん14名と小浜漁港から、三ツ島の地質探検に出かけた。目的は三ツ島周辺の地質調査、一葉観音、周辺の海況調査をし、ジオパークなど今後の観光ポイントとしてどう活用していくか検討していきたいと考えていた。船外機2隻に乗船し、鳥羽湾の三ツ島に上陸した。上陸してみると大きな三波川変成岩質の巨石がたくさん見られた。
三重県総合博物館学芸員の津村善博さんからこれらの巨石の岩質を紹介して頂いた。青い石は玄武岩、黒いのは泥質岩、白いのは石英、これらが地下約30km当たりで強い圧力とマントルの熱を受けて堅い泥質片岩になった。青い部分は緑色片岩とも考えられると解説していただいた。三ツ島一帯はこれらの岩石でできている。鳥羽湾の答志島、菅島北側、坂手島の北側も同じような岩質である。
近くの岩礁に一葉観音が建てられていたがその岩礁は石英がたくさん入りこんでいる石英片岩であった。一葉観音は鳥羽湾での海難事故を防ぐという願いから昭和13年に常滑の彫刻家柴山清風氏の制作によって建てられたが、今は背中の部分が波風にあたり剥離している状況であった。早いうちに補修の手立てをする必要があるとも思った。地域の人から朝陽が当たると観音さんが光輝くといわれている現象は朝陽がこの岩石にあたり乱反射することからそういわれているとも考えられた。今度はその現象をカメラで撮らえてみたいとも考えた。
一番外側の島には砲台跡もあるということであった。幕末期外国船が来たときにそれを打つといわれているがその威力は定かではない。三つの島を一周し、鳥羽国際ホテルの下の島に上陸した。ここも大きな泥質片岩が横たわり、きれいな縞模様を見せていた。その陸上部にはノカンゾウやアゼトウナの花が根づいていた。みんなで記念撮影して今回の調査に一区切りをつけた。たくさんの新たな発見があり大変充実した研修会になった。最後に無事三ツ島への搬送に協力していただいた船長の島田さんや岩佐さんに御礼申し上げます。合わせてCBC放送や広報とばの記者も同行してくれたのもありがたかったです。三波川変成帯の地質モデルとして今後ジオパークのサイトなどに活用していきたい。
「貴重なノカンゾウの花」 「この岩石は持ち上げられるか」と頑張る女性群
岩石の名前はむずかしい。「泥質片岩」 帰るころには雨もやみ安心しました。
今度はガイドで教えなくては
ジオパーク準備委員会 江崎・山下
【鳥羽は日本列島誕生の大きな起点】
先日、産業技術総合研究所から鳥羽の地質図副(5万分の一)が発行されました。いままでこの地域の精密な地質図はなかっただけに大変貴重なものです。
それによると鳥羽地域はたくさんの地質構造線が入りこみ、それらを形成している地質帯も様々に入り乱れています。しかもこの地質は太平洋からのプレートの動きで遥か彼方の太平洋の海底から運ばれてきた付加体によってできているのです。日本列島の太平洋岸を構成する貴重な場所です。
図は「国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)提供」
【地質構造】
三波川帯 ② 秩父帯北帯 ③黒瀬川帯 ④秩父帯南帯 ⑤四万十帯
このほか御荷鉾帯もかぶるところあり
【地質構造線と断層】
中央構造線 神島から答志島の離島周辺
五ケ所-安楽島構造線 安楽島から五ケ所までの断層帯
仏像構造線 今浦から四国まで延びる構造線
五知―朝熊岳断層 朝熊岳から五知まで南北に走る断層
【鳥羽・志摩地域を構成している付加体について】
付加体とは、マントルの移動に合わせてその上に載っているプレートが移動することで起こる現象です。太平洋プレートの移動によりはるかかなたの大平洋の海底から堆積した様々な地層や海底火山が運びこまれて大陸にぶつかりできた地層のことです。鳥羽や志摩半島はこの付加体が重なり合って地層を作っています。
図は「国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)提供」
この付加体は、鳥羽地域に様々な貴重な地質構造を見せてくれています。
その典型的な事例を挙げると
大村島の枕状溶岩 安楽島の小涌園ビーチにもある。
今浦や安楽島、青峰山に見られる白いチャートの岩脈
船津、河内、恵利原にもつづくチャートの岩脈
恐竜化石発見現場の砂泥の松尾層 アンモナイトの化石が出る青峰層
神島のカルスト地形 小さなものは今浦などでも石灰岩の地層がある
鎧崎の海蝕台地 (海から隆起している)
菅島のカンラン岩、蛇紋岩 白木の蛇紋岩など
このほか、神島から答志島に続く中央構造線上の島噍部
これらの地質の影響を受け、鳥羽地域には様々な貴重な地形が見られる。
アラメや様々な海藻が生い茂りアワビやサザエ、豊富な魚種の成長もたくさん見られる。
合わせてそれらを中心に島の人たちや地域の人たちの様々な暮らしや文化が生まれてきた。
祭りや地域のおいしい食材・郷土料理も大事な要素である。
これらを起点に自然環境の保護とともに観光資源、教育資源、担い手育成を目指すジオパーク登録を目指していきたい。
国(総務省)でも地域創生事業活動の育成が叫ばれています。ぜひ予算化を急ぎ対応をよろしくお願いしたい。
★恐竜化石はなぜ鳥羽で見つかったのか 産業技術総合研究所解説https://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/bluebacks/no13/
【鳥羽志摩の地形は太平洋の海底からの贈りもの】
三重県の南東部に位置する鳥羽志摩地域は風光明媚な海岸線や離島などからなりたっています。その景観の美しさは訪れる人々の心をいやすものであり、そこに太陽の光や自然の気象条件がいろいろと重なるとこれまた素晴らしい景観をなしてくれます。また、これらの地域で取れる魚介類や真珠なども貴重な産物であります。これらの素晴らしい自然の恵みをもたらしてくれる背景には鳥羽志摩地域の地形や大地の動きが大きく影響しているものと考えます。 ★写真は箱田山展望台より(野村さん提供)
鳥羽地域や志摩半島の成立には地球のプレートの動きが大きく影響している。日本列島ができるいまから5000万年前、大陸から分離してきた日本列島に太平洋からのプレートに乗ってきた放散虫やサンゴ、プランクトンの遺骸が積み重なり、そこに海底火山などが連結し、火山の爆発で吹きだされた火山灰や流水で削られた土砂などが様々な形で堆積したものが運びこまれ、付加体として大陸の端に積み重ねられてできてきた大地でもあると考えられる。
図は「国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)提供」
付加体として運び込まれた大地は、様々な地殻変動で、隆起や沈降、浸食を繰り返し山々の地形を作り、島々の形を造りだしてきました。鳥羽・志摩半島一帯が現在のようになったのは60万年前の出来事です。
【鳥羽志摩地域の人々の営み】
その後も何度も地殻変動を繰り返し、島々の形や海蝕崖、リアス式海岸など地質学的な特異性は、美しい景観や多様な生物の生息など独特の自然環境を生み出してきた。それらの豊かな自然と豊富な海産物などを糧として人々は、そこに住み、暮らしを広げ、文化や歴史を生み出してきました。
ジオパークは、ジオ=(大地の動き)、地球環境の移り変わりの様子を調べるとともに、それらの地域で人々がどう生活してきたかの様子も学び合う考え方です。大地の動きに合わせてそれらの周辺で産み出される海産物や様々な自然のめぐみ、豊かな自然環境などを観察しながら、人々が暮らしてきた長い歴史の中で産みだされた祭りや生活習慣、料理などにも関心を広げ地域丸ごと体験していこうという考え方がパークという言葉に集約されます。
ジオパークは地球環境と人々の暮らしを学びながら、これからの自然環境のあり方や地域の発展、人々の暮らしのあり方、将来のあり方を考える教育の場として広がりのある取り組みができます。鳥羽・伊勢志摩には大変貴重な景観や古代からの地球の贈りものがたくさんあります。今までも伊勢志摩国立公園として発展してきた歴史もありますが、いま一度、地球環境や私たちの暮らし・文化などに視点をあててこの地域の発展を考えてみたいと思います。
★ぜひ皆様と一緒に、今後の鳥羽、志摩、伊勢のあり方ををジオパークという視点で研究を進めていきたいと思います。
【鳥羽志摩地域の楽しみ方】ジオサイト
<鳥羽地域>
・大小の島々と入り組んだ海岸地形、波静かな湾内での牡蠣や海苔、わかめの養殖、おいしい魚(鯛、ワラサ) (写真 朝熊山からの光景 提供岡村)
・アワビやサザエなどの魚介類、いずれも豊かな自然地形の贈りものでもあります。
自然景観の観察・フィールドワーク。鳥羽市の離島めぐり
おいしい食べ物の味わい、郷土料理やそれらの体験活動。
祭りや神社・お寺などを訪ね、地域の人々の願いや歴史を知る。
海女さんや地域の農林漁業の様子を調べ、それらのあり方を考える
<志摩地域>
あまり高い山のない丘陵地と自然を豊かな海岸地形、リアス式海岸、広い砂浜と岬
きれいな真珠を生み出す英虞湾、おいしい牡蠣やアオサの生産地、海女さんたちの活動、
各地域の豊かな文化と祭り (安乗文楽、わらじ祭り)
南伊勢地域
自然豊かな地形とおいしいみかんや魚介類の生産、山から流れる滝と清流、各地域の伝統的な祭りや祠。
<伊勢地域>
伊勢神宮を中心とする伝統的な祭司の地、それらの祭礼と感謝の祭り・おいしい名物や料理、宮川や五十鈴川の豊かな清流と流域のくらし、村々に残る伝統的な祭りや祠
これらを地域ごとにピックアップしながら観察地域=ジオサイをつくり見学の場を設定する。地域の紹介と案内役を育てながら地域の発展を考えたい。各地域で検討を進める。
【ジオパークの取り組み】
今までの観光地だけでなく、ジオパークの考え方を生かした新たな観光・体験活動を考え、地域の発展、自然環境・文化の保護、将来への教育の場を考えていく。
単独地域だけでなく、広くエリアを考え、ともに成長発展していくようにする。
ジオパークについての研究を進める。
案内するカイドや担い手を育て、広く地域の発展をめざす。
各地域の担当者を集め、どのような形が考えられるか協議する。
近い将来、共通の目標が持てればジオパークの登録を進める
各市町・民間団体で運営組織や財政計画を考える。
ジオツーリズムなどを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成する。
日本ジオパーク委員会に登録し新たな持続可能な観光発展計画を考える。
ジオパークとは 日本ジオパーク委員会HPより
ジオパークは、以下のように定められています。
これらに加えて防災への取り組みも重視されるようになっています。2008年6月にドイツのオスナブリュックで開催された第3回ユネスコ国際ジオパーク会議では、会議の終わりに採択された宣言に、「地質災害に関して社会と知識を共有するためにジオパークが役に立つ」という趣旨の一文が盛り込まれました。
これまで世界ジオパークはユネスコの支援を受け活動してきましたが、2015年11月17日、第38回ユネスコ総会において、世界ジオパークの活動はユネスコの正式事業になり、名称がユネスコ世界ジオパークとなりました。
今までに登録されたジオパーク 日本ジオパーク - 43地域
★はユネスコ世界ジオパークにも認定
ジオパークを目指す地域 - 18地域もあります。
古関東深海盆・島根半島・蔵王・飛騨山脈・北九州・土佐清水・秋川流域・月山
萩・十勝岳・三宅島・東三河・中央アルプス・那須烏山・三好市・五島列島
飛騨小坂・上川中部地域
今回は三重県立総合博物館の大野照文館長さんや津村善博さんたちにご指導していただき、ジオパークへの取り組みをどう進めたらよいか検討した。いま国では地域活性化のために観光開発予算を上程していて、ジオパークなどはその目玉になっている。鳥羽市長などと相談して予算獲得のためプランを進めていくことが必要だ。私たちも何をよりどころとして取り組みをまとめていくか、その組織はどうしていくか課題が多いが、みんなの知恵を借りて少しずつ進めていきたい。
今浦地区の浦神社、百丈(30m)もあるおお岩がご神体だ。海から見ると右側が金頭山、その下に赤い社がある。この地方には珍しい。熊野の流れだそうだ。左側は銀頭山、いかにもお宝が埋まっているような名前だ。村の古文書にはお宝伝説もあるようだ。この間から貴重な清水がわき出ている。赤ちゃんを産んだときお乳が出ないときはこの水を飲むとよく出るようになるといわれています。大事にしたいご利益ですね。そのから白い橋をくくるのも大変面白いです。これからの季節、名物の牡蠣を食べにたくさんの観光客が訪れる。浦神社に参拝していただいたり、島々の景色も見ていただくとありがたい。
大村島は地層の宝庫、圧巻は島の北側にある枕状溶岩の岩々、約1億5000万年前のジュラ紀あたりにはるか太平洋の真ん中あたり海底火山が吹きあがった溶岩が海水で冷やされ、枕状溶岩になって太平洋プレートに乗って日本列島までやってきた。そこで顔を出したのが大村島である。大きな枕みたいな溶岩が連続している。同乗していただいた三重県立総合博物館の大野館長さんも「素晴らしい形のものだ」と評価していだいた。そして南側の岩脈は白いチャート。放散虫の遺骸が堆積してできたものだ。これも同時代、太平洋プレートに乗ってここまでやってきた。あわせて、近くの麻倉島にも同上の巨石がある。その西側の弁天さんにも大きな豆腐状の白い巨石、連続している貴重な岩石だ。島々の周辺の海にはこれからシーズンに入る牡蠣の養殖いかだがたくさん並んでいた。美味しい牡蠣が取れるのも何か関係するものがあったら素晴らしい。ロマンを感じる巨石群とおいしい牡蠣、本浦地区の新たな景勝地だ。
ジオパーク事前調査で海から鳥羽の地層を調査した。小型ボートに乗船して安楽島海岸からスタートした。初めに潮の流れの速い加布良古さんを調査。大きな褶曲の後の岩石がたくさん出ていた。海から見る伊射和神社の鳥居もなかなかいい感じでした。周辺の海岸には面白い岩が続出でした。
ジオパーク事前調査で三重県立総合博物館の大野照文館長さんたちと鳥羽市教育委員会を表敬訪問し、先日発表された産業技術総合研究所の鳥羽の地質図を紹介しながら、今後の方向についてお願いや協力を申し入れました。鳥羽は恐竜化石だけではなく素晴らしいところがたくさんあることを紹介していただいた。小竹教育長、榎生涯学習課長さんも大きな関心を示していただきました。
鳥羽地域の岬や半島に多く見られる白い岩石チャートとはどのような岩石でどのようにできたかを考えてみた。チャートは陸地での生物の化石を含まない。3000m余りの海底で生息していた放散虫などの生物の遺骸が堆積し大きな圧力で固められてできたものである。
赤いチャート 1億3千万年前 かつだん法
赤茶けた色は、錆の色に似ています。赤いチャートは含まれている微量の鉄分が赤鉄鉱(3価の鉄)として含まれているからです。一方、黒っぽいチャートは、鉄が黄鉄鉱(2価の鉄)として含まれています。赤鉄鉱は酸化状態でできる鉱物で、黄鉄鉱は還元状態でできる鉱物です。つまり、赤いチャートが堆積したときは酸素がたくさんあり、黒っぽいチャートが堆積したときは酸素が少なかったと考えることができるのです。
つまり、多くの生物が絶滅した頃に、酸素が少なかったと言えそうです。先にも言いましたように、チャートは陸から離れた深海底でできたものです。陸からはるか沖の海洋底までが酸欠となったということから、全地球的に酸欠となった可能性が高いと考えられます。しかも、この酸欠は約1000万年もの間続いたと考えられています。これこそ、生物の大量絶滅の原因ではないか、そんな学説が、ここ犬山地域から生まれ、議論されているのです。それでは、なぜ、地球全体が酸欠になったのか?その答えはまだ明確とはなっていません。とりたてて珍しくもない石にも、そんな地球の歴史が刻みこまれています。 (名古屋市立博物館HPより)
★頁岩 ⇒ 泥岩が固まってできたもの 9000万年前のもの
メランジュ 4000年前 から 2000万年前 日本列島ができる
褶曲した泥岩や石灰岩と玄武岩・カンランガンなどで混在する仕組み
片麻岩 アジア大陸に見られる プレーとの沈みこみ
海底火山 海嶺からマグマが吹きだす。 海水にあたると冷やされて枕状溶岩ができる。それらがプレートに乗って大陸へ運ばれる。1億3000万年前
中央海嶺辺りで地下のマグマが吹きあがる
海底火山 玄武岩を中心としたものができる。やや浅い海のプランクトンやフズリナなどの遺骸がたまる。石灰岩として堆積
海洋プレートが大陸によるにつれて3000mぐらいの海底の堆積物放散虫の遺骸を載せていく。⇒チャート
乱泥流などでできた珪質頁岩をのせる。乱泥流は富士火山帯からの噴火堆積物を含む。
日本列島近くでは陸地から流れ込んできた泥、土砂などを混ぜ合わせたダービタイトを形成しそれらを載せていく。
日本列島にぶつかるとプレーとはマントルの部分へ沈みこむが上部に載せてきた様々な堆積物は付加体として何回にもわたって山を形成し盛り上がっていく。
前弧海盆ではさらに泥などの堆積物とともに生物の遺骸なども堆積する。恐竜の遺骸や貝などの遺骸もここで含まれてくるのでは
これらのものが隆起し海岸段丘や山地を形成する。大きな造山運動などがある と高い山脈にもなる。
★白いチャートの岩脈が鳥羽周辺の山々に多いのは海底深くで堆積した放散虫の遺骸が圧縮され堅いチャートとになって、日本列島まで運ばれ、付加体として形成され、隆起したものと考えられる。
★チャートはフッ化水素などで溶かすと放散虫などの化石が出てくる。電子顕微鏡で見る。放散虫の形によって年代が特定できる。
★乱泥流 富士火山帯などの火山の爆発物が海流に乗って太平洋沿岸の南海トラフの海底に流れ込んできた。火山噴火物が多い堆積層
メモ 大地が動くところ
アフリカ リフトバレー 4000kmにも及ぶ大断層
【南海トラフの地下構造】
【秩父帯・四万十帯のできたころ】
秩父帯は古く ウミユリ、サンゴなどの遺骸あり、石灰岩を構成することが多い。
石灰岩は三重県では北勢地域多度山周辺 尾鷲にもある。石灰岩は塩酸で溶ける
四万十帯は砂岩や泥岩の互層。付加体とも混在しながら四国から太平洋沿岸の陸地を形成。四万十帯の形成 特殊均一岩石 7000年前
南海トラフとも関係 フィリピンプレート
以上の内容はまだ目も状態で、きちんと整理されていませんのでご了解を。
鳥羽の地層や人々の暮らしを調べる中で、新しい時代の生き方と人々のつながりを広げる指針を見つけていきたい。ジオパークはジオ(大地)とパーク(人々の生活舞台)を考える機会です。どんな形が私たちの地域では考えられるか現地のフィールドワークを生かして積み上げていきたい。そして、地域の人々と暮らしのあり方を考えていきたい。
★写真は浦神社のご神体 金頭山、銀頭山=白いチャートの巨岩(約30m)
私たちの住む鳥羽市には、たくさんの地層と文化の宝が一杯。朝熊山から鳥羽湾を一望するとたくさんの有人離島や大小さまざまな島が浮かんでいる。その島々の周辺では様々な漁業や暮らしの営みがある。また、大漁祈願や豊作を祈る祭りや祭礼が行われている。人々は有史以来、地域の自然や地形を生かし様々な生業や生活を積み上げてきた。海や山からの生産物はたくさんの収穫をもたらし、生活を豊かにしてきた。しかし、今日、社会活動の変化や自然現象の変化で様々な厳しい状況も出て来ている。もう一度自然現象の根底にある鳥羽の地層の成り立ちを調べながらそれらの原因とつながりを考えていきたい。○鳥羽湾の大小様々な島々
○今浦周辺の島々と白いチャートの岩脈
○恐竜化石が発見された松尾層、
○カルストと地形が見られる神島の地形
人々は有史以来、自分たちの生活をより安全で豊かなものにするため、様々の祈りや願いを込めた取り組みをしてきた。地域の中心地には社が建てられ、祭りが行われてきた。また、岬や小高い丘の上には漁業の安全や大漁を願う祠や仏像が祭られている。地域の人々の暮らしとどのようなつながりがあるか調べ、みんなで確かめていくことで地域の新たな発見があるようにも思われる。
それぞれに地域にはどんな祭りや祭礼があるか現地を訪ね調べていきたいと考えている。そこから新しい時代の祈りが見つけられるかもしれない。
下の写真は安楽島の行者さん